ワインを飲み過ぎると癌になる?ワインを飲む前に知っておきたいこと

ワインの飲み過ぎによる癌

ワインには様々な健康効果があることがよく知られていますが、適量をオーバーして飲みすぎてしまうとリスクになってしまいます。また、ワインを飲みすぎると癌になるという噂を聞いたことがある人もいるかもしれませんね。

これは、ワインに限った話ではないのですが、アルコールを摂取する人に、より多くみられる癌がいくつかあるという研究者の節があるのは事実です。

癌を発現させるのに影響を与えているのではないか、と考えられている要因は主に3つあります。
1つめは、アセトアルデヒドです。
お酒を飲んでアルコールを摂取すると、体内でアルコールを分解する段階で、アセトアルデヒドが発生します。

アセトアルデヒドは、分解されるまでに血液に吸収されて、体内をグルグルと回るため、いくつもの臓器に影響が出ます。

アセトアルデヒドは、一般的な二日酔いの直接的な原因になる物質として知られていますが、毒性を持つ物質でもあります。

そのため、アセトアルデヒドが細胞の内部にあるDNAを損傷させ、修復を妨げることによって癌が引き起こされる可能性が指摘されているのです。

2つめは、ホルモンです。
主に女性に影響が大きい部分ですが、アルコールにはエストロゲンなど体内の一部のホルモン値を上昇させることが知られています。

ガン細胞の中には自身の細胞を体内で増殖させる際に、こうしたホルモンを燃料として利用するものもあります。

女性の乳ガンのリスクがアルコールによって上昇するという説は、このホルモンの影響を指摘しています。

3つ目は、吸収率です。
飲酒で摂取されるアルコールが、口腔や咽喉内の細胞において、発ガン性のある化学物質を吸収しやすくするのではないか、という説があります。

飲酒や喫煙でリスクが上昇する癌があるのは、アルコールが体内への吸収率に大きな影響を与えているからだと考えるものです。

ただし、こうした仮説はあるものの、実際にアルコールが体内でどのようにして癌を発現させるのかというメカニズムは、まだ詳しく解明されていません。

日本人は遺伝子的にアルコールに弱い

飲酒によって顔が赤くなる体質の人は、お酒に弱いタイプだと考えられます。

アセトアルデヒドを分解する酵素の働きが強いか弱いかで、発癌リスクが変わってきます。

お酒を飲んだ時に、顔がもともと赤くならないタイプの人、赤くなるタイプの人、全くお酒を飲まない人の3つのグループに分けて、食道ガンになるリスクを比較した結果、赤くならない人は飲まない人の6.5倍、赤くなる人は何と65倍にも上がったのだそうです。

実は、日本人を含めたいわゆるモンゴル系の民族のうち、約半数の人はアルコール代謝において重要な働きを持つ、アセトアルデヒド分解酵素が遺伝的に欠落していると言われています。

一方、お酒に強い人は、アセトアルデヒドを分解する酵素の働きが強いものの、酒量が増えることで分解が間に合わなくなると、アセトアルデヒドが体に蓄積されていきます。

その結果、癌だけでなくアルコール依存症や肝炎、肝硬変、膵炎などの病気になるリスクが上昇すると考えられています。

まとめ

適度な量のワインを楽しむ習慣は、様々な健康効果があるとされています。

ただ、もともとお酒に弱い体質の人は、アルコール度数が低めのものやノンアルコールワインを選ぶのもひとつの楽しみ方です。

また、お酒に強い人も、たくさん飲めてしまうからこそ、飲みすぎていることに気づきにくい可能性があります。

上質なお酒を選んで少量を飲むのも良いかもしれませんね。せっかく体に良いと思って飲んでいたワインが逆効果にならないよう、自分の体質に合った楽しみ方を心がけましょう。

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